ジャバ・ザ・ハットリ
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海外の高給ITエンジニア求人を英語で読んでみれば明らかなこと

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    ジャバ・ザ・ハットリ

昔、日本の IT 会社で働いていた頃に客である NTT という大きな日本の会社様にお勤めのバーコード部長かナニか知らんが偉い人がエクセルで作った要件定義書をプリントしたのをバンバン手で叩いて私の所属していたチーム全員に激昂していた。長い話だなーと思って聞いていたが、要約すると「オレの定義どおりに作れ。書いてないことは上手に意図をくみとれー!」だった。

当時はそんな世界しか知らなかったので、「客が言うから従う」「バーコード頭が持ってくる予算は巨大だ」「穏便に済ませよう」としか考えず、バーコードの意図を汲み取って必死でコードを書いていた。

時は流れて今、海外のスタートアップで働くようになるとバーコードの置かれたポジションに相当するのがこちらではまったく見当たらない。

海外のエンジニア職ではスタートアップに限らず大手であってもはっきりとジョブスコープが決まっている。求人を見るとナニができる人を求めているか、が明確になっている。給料の比較的安いエントリーレベルの求人の場合はもう少しふわっと全体的に手伝ってもらえる人、みたいのもある。ただある程度の高給で IT エンジニアを迎え入れるつもりの求人は入ってからナニするか、が具体的に決っている。

例えば「**のシステムを**を使って光の速さで実装できる人を求む。給料は**出す。来てくれ!」など。高給であればどんどんその要求レベルが高くかつ具体的になっていく。だからエンジニアのキャリアステップとして現状の給与を増やしたい時に何を身につければいいのかが英語求人を読むと把握できてくる。

入社した後も同じで、この人は**をする人というジョブスコープがはっきり決まっている。

で、冒頭のかつてのバーコードの仕事内容を考えてみたのだが、あれは一体ナニができる人だったのか今となっては分からない。少し会っただけの人ではなく何年にもわたって仕事をご一緒させていただいた人だ。でも彼がナニができる人だったのか、少なくとも私は説明できない。はっきりいうと彼のようなポジションは海外には無い。100歩譲ってアレがプロジェクト・マネージメントだとしても、こちらのプロジェクト・マネージメント職の人がやっていることとはあまりに違い過ぎる。

なにより要件書をバンバン叩いて怒鳴れば言うことを聞くエンジニアなんていない。多国籍で文化も習慣も異なりプロ意識の高い人達をまとめてプロジェクトを推進する手法は英語力だけでなく、文化理解も必要。バーコード頭の方法とは違う。違い過ぎる。

逆に奴隷のように働かされていた下請けエンジニア達向けへの求人はシンガポールでは山のようにある。技術を使ってナニかが作れる人には求人がある。恒常的な IT 人材不足だから、給料は高騰を続けており、もちろんサビ残などない。会社としても変なサビ残で優秀なエンジニアに逃げられたくないから、待遇はしっかりする。

もし今、サビ残や意味不明の要件定義書にフリまわされている実は優秀なエンジニアが居たら、そんな立場を大逆転させることが可能なのが海外のスタートアップではないか、と思った次第。

ただし英語は必須なので、こちらもご参考に。