ジャバ・ザ・ハットリ
Published on

Googleロンドンで働く友人を「うらやましいー」と思ったり思わなかったり

Authors
  • avatar
    ジャバ・ザ・ハットリ

ずっと一緒に働いていた職場の同僚エンジニア A が数ヶ月前にロンドンの Google に転職した。転職してからしばらく経ったので久しぶりに連絡をとって、ロンドンの様子や Google の働き方について聞いたみたら、なかなかに興味深い話が聞けた。

その中のひとつがスタートアップと Google のような大企業の文化の違いに関して。

A がスタートアップで私と一緒に働いていた頃はがんがんコードを書いて、入れまくるスタイルだった。別に A に限らずスタートアップのエンジニアに求められるのはスピードだ。ちんたら考えてるヒマがあれば「さっさとコード書け!」「それ入れてまえ!」という文化だ。多少のバグや不具合があったとしても、それを気にしない(気にしてられない)スピード感が求められる。A にもそんなスタイルが身についていた。

ところが Google に転職してからさっぱり変わってしまった、と。A が担当しているのは世界中の誰もが知っているし、今日も誰もが使っている Google 製品のひとつだ。

私が「オレ、その Google 製品使うたびに A のコードがこの中に入ってるだろーなーって思ってるぜ!」と言った。
すると A は「いやー、あのよー。今で Google に入って数ヶ月になるよな。で、オレのコードが製品の中に何%ぐらい入ってると思う。正直に言うとだいたい 0.0000000001%ぐらいだぜ。」

これにはびっくりした。スタートアップで一緒に働いていた時の A の姿からはまったく想像できなかった。
A が言うにはこれだけコードの規模がデカくなると、どうしてもこうなってしまうし仕方がないことなのだ、と。

確かにもし A がスタートアップのノリで Google 製品にがんがんコードを入れてたら、Google の同僚達に「オメーなにやってんだよ、ボケ」と言われてしまうだろう。
その一方でもし A が Google のやり方をそのままスタートアップでやってたら「数ヶ月で 0.0000001%とかナメてんのかお前。クビな」となるに決まっている。

どちらかのやり方がよくて、どちらかがダメって訳ではない。それぞれの環境に会ったやり方がある。それだけだ。

ただ、ひとりひとりのエンジニアにとってどのやり方と環境が自分に合うのか、は自身で考えなければならないと思った次第。

Google の職場環境について刺激的な話をたくさん聞いて素直に「おお。さすが Google。羨ましいなー!!」と言ったりした。が、肝心の自身のコードが製品に 0.0000000001%しか反映されない仕組みでその前段階の準備に膨大な労力が必要だ、とか言われると自分には無理かも、、、と思ってしまった。

関連記事