ジャバ・ザ・ハットリ
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英語圏のエンジニア職への転職応募で書類選考を5割以上合格させる3つのポイント

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英語圏のエンジニア職への転職応募において最初の関門は書類選考になる。その書類選考でどこかの会社に10通履歴書を送ったら5通以上は合格させる方法を書いた。

就職活動において書類選考漏れというのは妙に精神的にヘコむ。特にある程度キャリアを積むと、そのキャリアやらを全部履歴書に書き込んだりするから、書類が「これアタシの歩んできた人生よ」と言ってるみたいになる。で、それを送った後で企業から「アナタの書類見たけど要らないわ」と言われるとなんか人生を全否定されたような気分になってヘコむのだ。よく転職相談のサイトなんかに「ちょっと就職が上手くいかなかくても、落ち込んだらダメ」とか書いてあるけど、そんな助言は何の役にも立たない。受からなければヘコむのだ。ヘタな精神論をかざすぐらいなら、実践的な受かる方法を教えろ、と言いたい。
こんなエラそうなブログを書いている私だが最初は書類選考の合格率が本当に悪かった。このブログを書くために過去の履歴書やらを見返したが、そりゃー受からんわ、と思った。しかし当時の私には何が悪いのか分からなかった。今は書類選考の打率は5割以上だ。同じ人間がやっているのでいきなりキャリアがピカピカになった訳ではない。ちょっとしたテクニックを身につけただけだ。

ここに書くのは「特別スーパーなスキルのあるすご腕エンジニアがそのキラキラのキャリアをそのまま書いて書類選考を通過する方法」ではない。ボーダーラインぎりぎりのエンジニアが普通に日本的感覚で履歴書を作って送ってしまうとだいたい落ちる。が、そこを丁寧に戦略をもって書類を作成することで打率5割以上は狙える方法、になる。

基本事項

まずは基本事項から。英語圏の転職において必要な書類は主に2つ

  • CV(履歴書)
  • カバーレター

履歴書というのは日本でもあるが、フォーマットがまったく違う。生年月日とか顔写真とかは書かないし、当たり前だけど手書きなんてありえない。
カバーレターというは自由形式で「あんたの会社に転職したいわ。アタシってすごいのよ。応募してるポジションにピッタリなの」と書いた手紙。どちらもとっても重要。

詳しくは本記事の最後に掲載した本とか、後はウェブで検索するとたくさん載っているので、ここでは省略する。

5割以上合格させる3つのポイント

1)履歴書とカバーレターをプロに添削してもらう

まわりにネイティブの友達がいたとしてもできればプロがいい。値段は数万円するが、それだけの価値はある。実はその添削料をケチって添削無しに自作で出した昔の自分の履歴書を見たのだが、あまりに情けない英語で赤面した。「よくこんなのを恥も外聞もなく応募企業に出したな」と変な感心までしてしまった。
今では面接官の立場でよく採用に関わる。もしあの時の自分の履歴書を面接官の立場で受け取ったら間違いなく秒殺で落とす、というレベルだった。あの時にプロに添削してもらわなかったら、どこがしょぼくて、どう直せばいいのか一生分からなかっただろう。
英語による履歴書の添削サービスは高額だが、必ず投資した分は返ってくる。

(ツイッターで有名なめいろまさんも英国人のご主人とボランティア的に英文履歴書添削サービスをされているみたい)
英語虎の穴 英語サービス

2)GitHub にオープンソースへの貢献アクティビティーを入れる

ここにも書いたがソフトウェアエンジニアにとって GitHub は仕事の成果そのもの。これを使わなくても転職できるが、言葉と地理的ハンディがある日本人技術者ならば必須アイテムとして使うべき。
やり方はカンタン。自分の好きなできるだけデカいオープンソースを探して、そこにコード書いてプルリクエストを送る。そうしてある程度のマージ実績ができれば Ok。
そして転職応募書類を出す同じ日に改めてなにかイシューを見つけて、コードを書いてプルリクエストを送っておく。当然ながらほとんどの場合はそのプルリクエストのステータスは Open のままでマージされていないが、そこが重要なのだ。応募企業の担当者があなたの GitHub を見た時に「おっ、また最近なにかプルリクエストを送ったんだな。どれどれ」と言って見させることができるからだ。その後、何件かあるマージされた実績も見ていただければこっちのモン。
当たり前だが、全てのコミット履歴やメッセージは英語にしておくこと。もしそこで「英語の書き方が分からないー!」となったらラッキーだと思う。英語圏のエンジニア職に転職したら、それを毎日しなければならないからだ。事前に分かっておいてトレーニングできる機会ができるのはいいことでしょう、と。

3)個人プロジェクトを作る

オープンソースへの貢献と並んで個人プロジェクトを持っていると協力な武器になる。そこに書かれたコードは全て応募企業に見てもらって Ok だからだ。応募者がどんなにすごいコードを前職で書いていても、そのコードは前職の会社のモノである限り持ち出すことはできない。無理に持ち出して「会社のモノだけど、どうぞご覧ください」とかやったら「コイツ法令遵守もクソもない野郎だな」と思われて落とされるだけ。

それに引き換え、個人プロジェクトならいくらでも持ち出し可能。

こんな感じのブログをポストする人も居ることだし。
If you don’t have pet projects, I don’t think I want you - Ayende @ Rahien

無かったら絶対にダメってのは言い過ぎ。ただあると強力であることは確か。で、私が提出している個人プロジェクトはこの IT パズルが8つ。

これをご覧になって「え?そんな程度のプロジェクトで Ok なの?」と思われた方へ。そうなんです。これぐらいでも十分だと思う。なぜなら作者のコーディングに対する考え方が全体像として示せるから。
オープンソースへの貢献でもコードの書き方は示すことができるが、どうしてもそれはそのオープンソースの管理者の設計思想やクセに沿わなければならない。ところが個人プロジェクトは100%自分の考えと責任で書ける。
とにかくひとつでもあれば、それだけで Ok。そして本パズルは8つともログを取っているから応募した企業の技術者がアクセスして解きに来ているのが実は全部見えている。だいたいパズルを解いた後で「応募書類を見たけど興味あるのでお話しませんか?」とメールしてくるのが、なんかプッとくる。
ちなにみその個人プロジェクトもできれば全て英語版にしておくべき。

以上
1)履歴書とカバーレターをプロに添削してもらう
2)GitHub にオープンソースへの貢献アクティビティーを入れる
3)個人プロジェクトを作る

というのが3つのポイント。職歴に関してまったく言及していないのは、そこはほぼイジりようがないからだ。働いたことが無いのに働いたなんてウソは書けないし、採用担当者によってはあまり職歴を見ない人も居る。エンジニアというのは「どこで働いたか」よりも「何ができるのか」の方が重要視されるからだろう。

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