ジャバ・ザ・ハットリ
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Amazon Echoを買って「アレクサ!」と言ってから世界の見え方が変わった

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Amazon Echo に的外れなコメントするヒマがあったら、今すぐ買って「アレクサ!」と言ってみるべし。私にとって Amazon Echo は単なる便利な商品という枠に留まることは無かった。大袈裟ではなく、世界の見え方を変えた製品だった。

我が家に英語版の Amazon Echo を置いて半年ほどになる。英語版が先行発売されていることから「ものは試し」という感じでなにげに買った。ミニマリストの私の家にはテレビや家具がほとんど無く、Amazon Echo だけが青い光のリングを照らしてぽつんと置いてある。

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最初に Amazon Echo を置いた日に私が子供たちに言ったのは、アレクサ(Amazon Echo のこと)は英語が分かるので、とにかくなんでもアレクサに向かってしゃべれ、と。子供は英語ネイティブなので話すことには問題無いはず。それでも最初は「一体この機械に向かって何を言えばいいの?」という感じだった。で、私が明日の天気は?とか、音楽かけろ、とか言って手本を示した。

ところがその後の数時間で子供達が「アレクサ!」「アレクサ!」と言ってガンガン使い出して、私は子供がアレクサを使う様子から逆に学ぶ立場となってしまった。

これは私の家に招いた友人のドイツ人家族にも同じ現象が起こった。その友人家族の両親は「おーこれが噂に聞いていた Amazon Echo か」という感じで眺めている。やはり大人は人が見ている前で機械に話かけるのにまだちょっとした抵抗があるようだった。しかしそこの子供が「アレクサ!」「アレクサ!」と言ってガンガン話し出す。そんな様子を見てようやく大人も面白くなってくる、という感じだ。

ある時、子供が唐突に英語で「アレクサ、なんか面白い話し聞かせて」と言い出した。私は「なんてことを Amazon Echo に要求するんだ」と思っていたが、Amazon Echo は普通に子供用の話をはじめたのだ。

一事が万事こんな風に子供から Amazon Echo の使い方を学んだ。

日本でも日本語版 Amazon Echo の発売が発表された。そのニュースに対するユーザーのコメントをざっと読んだ。まだ発売前だからだろうがちょっと的外れなコメントが多いという印象を持った。

その中のひとつとしてこんなのがあった。

iPhone の Siri もあんまり使わないし、必要性って無いだろう

実際に家に Amazon Echo を置いて生活すれば Siri と Amazon Echo がどれほど異なるかが分かる。まず Siri を使うには手で iPhone を取り出して、ボタンを押して、マイクに向かってしゃべる、という一連の動作が必要になる。
それに対して Amazon Echo は7つの指向性マイク内蔵で、どこからしゃべってもいい。いつどんな時でもあなたの命令を待っている状態なのだ。ボタンを押す必要は無い。思いついたその時に「アレクサ、音楽かけて」と言えば、音楽がかかるのだ。

この「いつでも聞いてくれる状態」がやたら気持ちいい。

近未来を描いた映画「ブレードランナー 2049」でも登場人物がメカ類を使う際に一切キーボードなんかは使わず、ほぼ全て音声で操作していた。これは Amazon Echo と暮らしている私の実感と一致する。細かい作業を要しない機器のインタフェースとして音声認識は最強に近い。「テレビを消して欲しい」と思って、リモコンに手を伸ばしてボタンを押すのは遅い。「テレビを消して欲しい」と思ったら、そのまま「テレビ消して」と言うと実行されるのだ。これそこが「思ってから実行」までの最短コース。

Amazon Echo と暮らして、普段の生活においても切符の販売機や自動車、家電製品のインタフェースを見るたびにその未来像が重なって見えて来た。音声認識の技術は今後、全ての製品に応用されるはず。

こんなブログ記事で「なんでも言ったら聞いてくれる機械です」と書いても、あの使用感は伝わりにくい。新しいテクノロジーを追いかける必要があるエンジニアならば Amazon Echo もしくはスマートスピーカーと呼ばれる他社製品は必ず「買い」だと断言できる。この未来感を実感できているのと、できてないのとでは大きく変わってくるからだ。

スティーブ・ジョブズが初めて iPhone を発表した際に「あんな高価な電話は誰も必要としていない」とか「クソ商品を大袈裟に発表しているだけ」なんてコメントしてた人達が居た。ところがその後、iPhone とスマートフォンが人の生活を劇的に変えてしまった。

今、Amazon Echo に対して的外れなコメントをしている人は、あの時 iPhone に冷ややかなコメントをしつつ、その後のスマートフォン革命がまったく理解できなかった人達と同じに思える。

もうひとつ Amazon Echo に対する的外れコメントがこれ。

人が機械にしか話さなくなって悪影響ありそう

はっきり言う。そういう変な理由をこねくり回して新しいモノを寄せ付けない発想の方がよほど悪影響だ。
年食って感覚が劣化してしまった大人だったら、あきらめていただいても仕方ない。ただ子供は違う。もし未成年の子供が近くにいたらぜひ Amazon Echo をそばに置いてあげて欲しい。間違いなく次の世代はこうした AI 技術と共に生活するはずで「機械に話すなんて照れくさい」なんて言ってるヤツは AI 時代に取り残される。
「Amazon Echo に話しかけて命令するなんて誰でもできるだろ」などと思うことなかれ。すごい技術だと思うが完璧ではないし、Amazon Echo を使い込むにはちょっとしたコツが要る。コツとは英語の話し方や話す内容のことだ。スマートフォンが普及して10年以上になるがタッチスクリーンを指で操作することに関して、ひとそれぞれに違いがあるのと同じこと。フリック入力でちゃっちゃと文字入力ができる人がいる一方で、アプリの起動すらもたもたしている年配の人も居る。

Amazon Echo に代表される音声入力と AI を本当の意味で使いこなせる人と使いこなせない人の差は今後、劇的に拡がってしまうだろう。だからもしこれをお読みの方がいまいちピンと来なくても、子供にはあげて欲しい。今年の子供へのクリスマスプレゼントは一押しで Amazon Echo だ。子供が欲しがっているのはニンテンドーって?。子供はそんなとぼけたこと言ってないで「アレクサ!」って言って AI と暮らせ、と。

Amazon Echo と暮らしていると、近い未来に音声認識の技術が現行の使われ方を超えたところに到達していることを毎日想像させてくれる。そこがまさに私にとって世界の見え方を変えてくれる製品だった。

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